南海トラフで起きることが想定される最大級の地震を近年の大地震の震源解析や周辺の地震活動、地下構造調査などを総合的に判断した最大級の地震規模はマグニチュード9.1でこの大地震による最大の被害想定は下記のとおりです。
死者323,000人(2012年8月公表)
全壊家屋62,7000棟(同上)
経済被害220兆円(2013年3月公表)
この地震が30年以内に発生する確率は70~80%です。
関東は日本でも地震活動が多い地域です。これは北米プレートの上にある関東に南からはフィリピン海プレート、東からは太平洋プレートが沈み込み3つのプレートが積み重なっていることが要因です。関東で発生が懸念される地震は2つに大別することができます。
1つ目はフィリピン海プレートの上で起きる関東地震です。この地震の想定規模はマグニチュード8で、発生間隔は200年~400年です。1923年の関東大震災では10万人の死者が出ています。
2つ目はフィリピン海プレートと太平洋プレートの境界、もしくは内部活断層で起きる可能性のあるマグニチュード7級の地震です。過去のデータから100年に2,3回こうした規模の地震が起きており、30年以内に70%の確立で発生すると考えられ話題となることが増えています。
2014年8月26日、内閣府、国土交通省、文部科学省による有識者会議が日本海で大地震が引き起こす津波の想定結果を公表しました。地震の想定規模はマグニチュード6.8~7.9と太平洋側の海溝型地震と比べると規模は小さくなります。ただし日本海側は太平洋側よりも断層が浅いところにあり、動く角度も急になっているため地震規模に比べて津波が高くなる傾向があります。さらに断層が陸地に近いため到達までの時間が短い警戒すべき地震です。
津波の高さは北海道、青森、秋田、山形、新潟、石川の6道県で10mを超えると想定され最大では23.4mとなっています。
過去の地震
1964年 新潟地震(M7.5)
1983年 日本海中部地震(M7.7)
1993年 北海道南西沖地震(M7.8)
2017年12月、国の地震調査委員会は北海道東部の千鳥海溝沿いで起きる巨大地震をマグニチュード9級、30年以内の発生確率を7~40%、いつ起きてもおかしくないという状況であるという調査結果を発表しました。過去には18mを超える大津波が発生し内陸1~4kmにわたって浸水していたことが分かっています。この規模の地震は過去のデータから平均340年~380年の間隔で発生しており、前回の17世紀初頭の地震から発生間隔の平均を超える時間が経過していることから地震の再来が懸念されています。
30年以内に発生が想定される地震の場所と確率
根室沖(M8級) 70%
色丹島沖・択捉島沖(M8級) 60%
十勝沖・根室沖(M7級) 80%
色丹島沖・択捉島沖(M7級) 90%
その他にも沈み込んだプレートの内部での地震についても50%の確率で発生すると想定されています。